自分の気持ちをうまく言葉にできず、つい我慢してしまう——そんな悩みを抱えていませんか?
無理に自己主張しようとすると、かえって苦しくなることもあります。
本当に大切なのは、「自分の感情を丁寧にキャッチして、言葉にしていく小さなステップ」を踏むこと。
この記事では、自己主張が苦手な人でも実践しやすい、感情を言葉にするための3つのステップをご紹介します。
なぜ自己主張が苦手なのか?
自己主張に対して、ネガティブなイメージを持っている人は少なくありません。特に日本では、「空気を読む」「周囲に迷惑をかけない」ことが美徳とされる文化が根強くあります。
そのため、自己主張すること=わがまま、自己中心的と誤解されやすい傾向があります。
しかし本来、自己主張とは「相手を押しのけること」ではなく、「自分の気持ちや考えを、相手に伝えようとする行為」です。
自己主張が苦手だからといって、人として劣っているわけではありません。ただ、自分の感情を整理して表現するスキルがまだ育っていないだけなのです。
以下の図では、一般的な誤解と本来の自己主張の違いを簡単に整理してみました。

感情を言葉にするための3ステップ
感情を言葉にするには、特別なスキルや難しい言葉遣いは必要ありません。ここでは、誰でも取り組める3つのシンプルなステップをご紹介します。
ステップ1:「いま感じていること」をキャッチする
まずは、自分の内側に目を向けて、「いま、自分はどんな感情を感じているのか」をキャッチします。
たとえば、モヤモヤ、イライラ、不安、悲しみ、喜びなど、具体的でなくてもかまいません。
「何となくイヤな気持ち」「少し緊張している」といった曖昧な表現でもOKです。
ステップ2:「何に対して、どう感じたか」を整理する
次に、「誰に対して」「どんな出来事に対して」「どんな感情が湧いたのか」を短く整理します。
たとえば、「上司の一言に、寂しさを感じた」、「友達の反応に、モヤモヤした」など。
できるだけ主語を「自分」にして、感情を自分のものとして認識することがポイントです。
ステップ3:「伝えるかどうか」を自分で選ぶ
最後に、その感情を相手に伝えるかどうかを自分で選びます。
伝えることを選んでもいいし、伝えずに自分の中で整理するだけでもかまいません。
大切なのは、「自分の感情を無視しないこと」。感情を受け止めることで、自分との信頼関係が深まります。
伝えるときのコツ:相手を責めず、自分の気持ちを主語にする
感情を伝えるときに気をつけたいのは、相手を責めるような言い方を避けることです。
たとえば、
- NG例:「あなたが無神経なことを言ったから、私は傷ついた」
- OK例:「私は、その言葉を聞いて悲しくなった」
このように、「あなたが〜した」という表現ではなく、「私は〜と感じた」という伝え方(Iメッセージ)を使うことで、相手を攻撃せずに自分の気持ちを伝えることができます。
自己主張とは、相手を打ち負かすことではなく、自分自身を大切にする行動です。
やさしい自己表現を心がけることで、対人関係も自然とスムーズになっていくでしょう。
まずは「自分の気持ちに気づく」
自己主張が苦手な人にとって、感情を言葉にすることは大きなチャレンジに感じられるかもしれません。
しかし、感情をキャッチし、整理し、必要に応じて伝えるという小さなステップを積み重ねることで、自然な自己表現力は必ず育っていきます。
まずは「自分の気持ちに気づく」こと。
そこから一歩ずつ、感情を大切にするコミュニケーションを始めてみましょう。
まとめ・よくあるご質問
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▶ 感情とうまく付き合うには?心が疲れやすい人の3つの傾向
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🔗参考:日本心理学会の公式サイトでは、感情表現や対人コミュニケーションに関する心理学的な知見が紹介されています。
https://psych.or.jp/